トリプルメディアといわれるようになって久しいですが、最近私が思ったことをひとつ。大手メディアの記事はやはり一番押さえるべきアーンドメディア(Earned media)なのではないかということ、そしてそれがトリプルメディアの一連の議論の中で過小評価されているのではないかということです。


発端は先日この記事。
「トリプルメディアとその周辺―メディアの多様化がマーケティングにもたらすもの」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1203/05/news001.html


なるほどねー、経緯を含めてよくまとまってるねー、と関心したのですが、ふと、何か抜け落ちてないですかと心配になりました。
具体的には私の業務に大きな影響を及ぼす、以下の2つのメディアへの言及の物足りなさです。

  1. 伝統的な記事・パブ
  2. サーチエンジン(オーガニック検索)

メディア。ひと昔前はメディアといえば前者のことでした。これらは無視されてるの?トラディショナルメディアといったらまず新聞が頭に浮かぶのは私がおかしい?いわゆるマーケッター宣伝の人が最初に提言したから?とかちょっと心配になりした。
後者はウェブ(オウンドメディア)を取り扱っている方なら最も影響を受けるメディアのひとつ。企業のウェブ担当者なら同意いただけると思いますがソーシャルメディア全盛の昨今でも、検索からの流入が未だ圧倒的です。流入における影響度合いは、それは大人と子供以上の差です。
※これは以前にその影響度合いから、個人的に第四のメディア(クアトロメディア)と呼んでみたこともあります。

前者のメディアですが、どこにプロットすればいいのか?ありました(日本語記事)!


「トリプルメディア」とマス広告の役割
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/tokusyu/20110207/201102toku1.html


アーンドメディア(Earned media)にしっかり「新聞記事」と書かれているではないですか。
アーンドメディア。トリプルメディアは浸透したのと対称的に未だ日本人には聞きなれない言葉ですね。日本人が発音すると間が抜ける単語です。初めてイベントで耳にした時は「&(あーんど)メディア」と何かわけの分からないギャグをおっしゃてるのかと思いました。

Earned を辞書で引くと、
「獲得する、取得する(gained or acquired)」
とあります ※weblioでスイマセン。

例文も
a well-earned reputation for honesty
とあるように、アーンドメディア(Earned media)とは「獲得するのが容易ではないものをなんとか獲得した上でそれが媒体として機能するもの」よいう意味に捉えるとこができます。まさに広報担当者の血と汗とお酒の席で獲得した「新聞記事」がしっくりくるではないですか。そのほかにも「雑誌パブ」「口コミ・風評が露出されることろ(ここがソーシャルメディア)」も。

デジタル出身なので僕自身が読み違えることが多いのかもしれませんが、アーンドメディア=ソーシャルメディアと書かれている、もしくはソーシャルメディアだけ誇張されている感があります。
先の記事にも引用されている、フォレスターリサーチのショーン・コルコラン(Sean Corcoran)氏が同社のブログ「Defining Earned, Owned And Paid Media」 でもアーンドメディア(Earned media)の定義で、

  • Benefit - Most credible →うんうん、同意!
  • Challenges - No contorl →おっしゃる通りです、同意です!
  • Example→WOM, Buzz, Viral以上→おいおーい??まずはNews articleじゃない、普通。
と突っ込みたくなります。
※但しこれもの定義図表での話。本文をしっかりちゃんと読めば書いてあります。


Defining Earned, Owned And Paid Media
http://blogs.forrester.com/interactive_marketing/2009/12/defining-earned-owned-and-paid-media.html


ソーシャルメディア上での大きめの露出やそれにより形勢される評判は、元となる記事(ソース)に依存すると思います。つまりソーシャルメディアはその記事の増幅装置にすぎないと。大手メディアの記事はやはり一番押さえるべきアーンドメディア(Earned media)なのではないでしょうか。そしてそれを再評価すべきなのではないでしょうか。

最後に、以上のことからサーチエンジン(オーガニック検索)も、獲得するのが容易ではないものをなんとか獲得した上でそれが媒体として機能するもの」という点で、アーンドメディア(Earned media)という解釈でいいですか?(誰か)


クチコミの重要性を語られるようになってから久しいですが、現在はやれtwitterだ、やれソーシャルメディアfacebookだと、ソーシャルメディアの出現でクチコミの更なるビジネス利用が各所で議論されています。
このクチコミですが、それ自体は特に新しい概念ではありません。10年以上前ですが僕が出版社にいた頃も、マーケティングの一翼として雑誌の利用によるクチコミ効果を謳っていましたし、ことクチコミ自体になると有史以前の人類が獲物を取るためにそれを仲間に伝播されるために利用されていました。
ただしクチコミが拡散されていく科学的なプロセスや、を整理されたフレームワーク見ることはほとんど皆無でした。

The Hierarchy of Contagiousness - Brian Solisより

以下のモデルは、Dan Zarrellaがその2011年の著書"Zarrella's Hierarchy of Contagiousness: The Science, Design, and Engineering of Contagious Ideas"で開発した、人が自分の考えを広める際に発生する3ステップを整理したものです。


1. Exposure(露出)
まずはあなたのアイデアを露出させる必要があります。twitterであなたのフォロワーになってもらったり、Facebookでいいねを押してもらう土壌を作る必要があります。

2. Awareness(認知)
あなたの露出を気づいてもらう必要があります。フォロワーが居るからと言って全ての情報を見て貰える保証はありません。

3. Motivation(動機)
クチコミを拡散させる動機を与えなければなりません。一度気づいてもらったあなたの情報リツイートやフォワードをしてもらう必要があります。


そして各段階においてマーケッターはそれを最適化をする必要があります。その方法は以下の通りです。

1. あなたの情報が拡散される可能性のある潜在的な露出を増やすこと。つまりリーチを増やすこと。より多くのフォロワー、より多くのいいねをを得ることが重要です。

2. ソーシャルメディア上のノイズを超えて情報を伝達する方法を学ぶこと。PRのタイミングを検討する際のように競合が少ない時間帯を狙うというようなアイデアが重要。

3. あなたの情報に何か動機付けとなるコンテンツを付加すること。ターゲットと情報との関連性を強化する何か、アクションを呼び起こす何か、情報拡散のフックとなる何か。


2012年ソーシャルメディア戦略立案にあたり、Altimeter代表のBrian Solisがキーワードを並べています。割と漠然としていてありきたりな内容ですが、海の向こうでも同じ環境変化があることを再認識できる記事です。
 
Ten Social Media Strategies to Define a Successful 2012 - Brian Solisより
 
ソーシャルネットワークや様々なデバイスの出現はデジタルダーウィニズム―環境変化に適応するため出現した新たなる顧客行動―を生み、我々の"今までのビジネス"の終焉を促しています。
 
我々は彼らとの溝(キャズム)を埋める術を身につける必要があります。あなたにアドバイスを提供してくれる、ソーシャルメディアアナリスト、リサーチャー、戦略家はたくさん存在しますので、すぐに戦略策定を始めまてはいかがでしょうか。ソーシャルメディア戦略を策定する上で優先的に理解すべきことは以下の10のことです。
 
1.ソーシャルネットワーク
Facebook、Twitter、Google+。どのようにインフルエンサーとビジネスを繋ぐのか。
 
2.ジオロケーションサービス
Four SquareやFacebookのようなジオロケーションサービス。位置情報が共有され、割引クーポンが提供される仕組み。
 
3.共同購買サービス
Groupon、Living Socialのような共同購買。何を、そしてなぜ提供しているのか。
 
4.ソーシャルコマース
Shopkick、Armadealoのようなソーシャルコマース。それらがどのように共有に値する価値を提供しているか。
 
5.クチコミ(推薦)サイト
Yelp、Service Magic、Angie's Listのようなクチコミ(推薦)サイト。クチコミは意思決定に影響を与え、共有知はあなたのビジネスを改善案を提供する。
 
6.ゲーミフィケーション
BadgevilleやFanGagerのようなゲーミフィケーション、なぜエンゲージメントが売上げとロイヤリティに貢献するのか。
 
7.モバイルデバイス
顧客はどのようなモバイルデバイスを使っているのか、何をインストールしているのか?そしてモバイルの中で、どのように商品を比較して、口コミを見て、意思決定しているのか?
 
8.オンラインでの存在感
タブレット、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップPCなど様々なプラットフォームを通じてあなたが提供しているビジネスのオンラインでの存在感。 あなたが提供しているオンラインサービスを顧客がどのように体験しているのか、各プラットフォームを通じて最適な体験が届いているのか否か。
 
9.遷移

顧客が利用しているプラットフォームでのクリック遷移。顧客の期待値に合わせて上手く誘導できていますか?クリック遷移の始まりと終わりを上手く設計できていますか?モバイルECやFacebookのF-コマースを活用していますか?
 
10.顧客の期待値

それら全てを含めた顧客の期待値。
様々なプラットフォームを通じて顧客が価値を見出しているもの、場所。あなたのサービスがどのように経験を提供し、共有に値する価値を提供しているか。
 
 
ダーウィン曰く"生き残るのは強い種でも、知的な種でもない。変化に対応できた種のみだ。"

Beyond PR "Public Relations Resolutions for 2012" より

パブリックリレーションに関わる人達の2012年の抱負を見てみましょう。

さらなる人脈の開発
ソーシャルネットワーク、リアルイベントを含め個人のプロフェッショナルネットワークの拡大をプランしているようです。ソーシャルネットワーク時代になって人脈はスキルセットのひとつとしていままで以上に重要になってきたと僕も思います。

メディアリレーション
トラディショナルメディアの死、と言われて久しいですが、依然メディアリレーションは広報業務の中核であるということです。

Blogの開始、継続
唐突な感じもしますが、ブランド(企業)ブログ、個人ブログ、ここでいうブログは両方含んでいます。TwitterやFacebookの出現でBlogの存在感がなくなった感もありますが、貴重なチャネルであることは変わりないので、僕も今年こそは注力したいです。

効果測定、ベンチマーク
このテーマが注目されるのは疑いようがありません。PRのKPI策定はとても難しい分野ですが今年はトライする価値がありそうです。

ブランドのソーシャルメディア上でのプレゼンス拡大
このテーマは引き続きになるかと思いますが、2012は更なるソーシャルメディアの乱立も予想されますので、今年も大きなテーマとなることでしょうか。

いかがでしょうか。皆さんの抱負と類似しているのではないでしょうか。





宣伝と広報に対するよくある間違い
宣伝は媒体を買うので「有料」、広報は記事に取り上げてもらうので「無料」という対比をよく聞きます。
しかしこれはまったく本質を捉えていませんし、間違いです。
たとえば宣伝部門は媒体を扱うので往々にして「有料」ですが、広報も企業広告として媒体を扱うことはよくあるのです。
 
次に、最近よく聞くのが、「戦略PR=広報」という図です。これは間違いではないですが、戦略PRはビジネスコミュニケーションの手法のひとつであり、「媒体を購入しない宣伝」という意味合いが強いです。
そのためこちらも誤解を招きやすい構図で、また広報の本質も捉えていません。
 
企業コミュニケーションの階層から宣伝と広報の違いを理解する
宣伝と広報を区別するには以下の3つの「企業コミュニケーションの階層」を理解すると明確になります。

1.インターナルコミュニケーション
2.ビジネスコミュニケーション
3.コーポレートコミュニケーション


1.インターナルコミュニケーション
主に広報部門が扱います。
これはいわゆる従業員に対する社内コミュニケーションです。ターゲットは従業員となります。企業コミュニケーションとして非常に重要なものですが、宣伝部門が扱うことはまずありません。

2.ビジネスコミュニケーション
主に宣伝部門と広報部門が扱います。
メーカーでいうと製品を扱うコミュニケーションです。ターゲットは主に顧客とメディア(記者(とその先の顧客))になります。
 
この中で、メディア(媒体枠)を買って顧客とコミュニケーションをするのが宣伝部門となります。生活者目線でも普段から接する機能なので、そのわかりやすさと利益貢献度や露出の面でコミュニケーションの中ではひときわに目立つ領域になります。そのために広報部門と比べてチームの人数も多くバジェットも桁違いになるケースも往々にしてあります。ただし「企業コミュニケーションの階層」という側面では、多数ある企業コミュニケーションの中のひとつでしかありません。
一方でメディア(記者)を通じてビジネスコミュニケーションを行うのが広報部門となります。取材対応やプレスリリースの配信など記者というプロフェッショナルを通じて間接的に顧客コミュニケーションを行います。
 
このことから、ビジネスコミュニケーションだけをとりあげた場合、「有料」「無料」という切り分けや「戦略PR=広報」という理解もわからなくはありません。しかしながら何度も言いますが「企業コミュニケーションの階層」という側面では、多数ある企業コミュニケーションの中のひとつでしかありません。
 
3.コーポレートコミュニケーション
主に広報部門が扱います。
ターゲットは顧客やメディア、更には投資家、社会全般と企業をとりまくあらゆるステークホルダーが対象になります。ブランディングや、IR、CSRという領域を扱うため専門部門が対応することがありますが、宣伝部門が扱うことはほとんどの場合ありません。またこの領域の場合、広報部門も企業広告や有事のお見舞い広告など有料のメディア(媒体枠)を扱うことはよくあるのです。
 
 
宣伝と広報の本質的な違いとは?
以上のことから、扱うコミュニケーションの領域の違いいう理解が一番わかりやすく且つ本質的であるといえます。宣伝部門、広報部門、どちらもコミュニケーションを扱う部門ですが、以下のようにまとめます。
 
「広報」:インターナル、ビジネス、コーポレートの全領域を包括的に扱う機能とその部門。
「宣伝」:ビジネスコミュニケーションの一部、特にメディア(媒体枠)を買って顧客コミュニケーションを専門的に扱う機能とその部門。


CVなんて正直どうでもいいです。
このウェブマーケティング全盛の時代にチャレンジングなタイトルです。大前提ですが、語弊を承知で書いてます(笑)。
多くの場合ウェブ担当者ののミッションは平たく言うと、「会社の利益を上げる」ために、流入を上げ、さらにコンバーションレートを上げるために施策を実行します。そしてその責任を評価するために効果測定を業務として行います。

では広報のウェブマスターも同じでしょうか?答えはNoです。そもそも施策の効果を測定しようなんて思ってません
正直、CVRやCPAやCTRやCPMやROIやUUやPVさえもどうだっていいです。
ただしアクセス解析ツール(効果測定ツール)を使いこなすスキルは必要です。
どういうことでしょうか?
アクセス解析ツール(効果測定ツール)は使う、ただしリスク管理ツールとして、ということになります。

アクセス解析ツールで異常値を監視する。
正直、広報のウェブマスターにとってCVやPVの「絶対値」はどうでもいいのです。
広報のミッションとして、プレスリリースなどの発信を増やし企業認知を上げるという責任はありますので完全に無視するということはないのですが、これらの一般的な指標に関してはゆるやかな右肩あがりであれば問題ないんです。

広報のウェブマスターはリスク管理の視点から、相対的な異常値を監視するのです。
つまりアクセス解析ツール(効果測定ツール)をソナーのように利用します。

なによりも大事なのは
1.数値に急激な反応はないか?(量的評価)
2.異常値があった場合、その要因はなにか?
3.そのオーディエンスの反応がポジティブかネガティブかあるはニュートラルか?(質的評価)

その分析の結果を、初動としてマネジメントに警報を出すのです。(さらにはネガティブの拡散を防ぐ対策を行います。これは後日また。)

アクセス解析ツールで異常値を監視する。これは発想としてはかつてのIT担当者がサーバ負荷監視するためログ解析を使用してしたケースに近いかもしれません。

PVを下げることも仕事
極論をすれば、何かの事象によりネガティブな反応が増加している場合、一時的に認知(PV)を下げることも必要なのです。
その点が、ウェブマーケティング担当者の概念と全く異なります。

ミッション1:平時には海を監視する。そして身体を鍛える。
前回の記事「広報のお仕事って何ですか?:広報部ウェブマスターの仕事」で挙げたミッション1がまさにこの行為に該当します。
自社サイトだけに関して言えば、双眼鏡(アクセス解析ツール/効果測定ツール)を使って、海(世論、事件、潜在的なリスク)を常に監視しているライフセーバーになるのです。また、その管理スキルや身体能力を鍛えるために、様々なツールや最新トレンドに精通するよう日々精進するのです。
つまり、広報のウェブマスターは、「会社の利益を守るため」にさまざまなツールを駆使して顧客や世の中のことを最もよく知る人でなければならないのです。

ウェブの担当部署は広報部?
企業サイトを管轄する部署は様々なケースがあります。各事業部を基本として、宣伝、販促、営業そして広報などなど。
ソリューション側の方は様々な企業の方、様々な部署の方に会していお仕事をされますが、その経験の中で広報部がカウンターであったことも少なからずあったかと思います。ここで質問です。広報部って何をする仕事ですか?ニュースリリースを書く?社内報を出す?断片的にはご存知かもしれませんが、以外とその業務内容やミッションを知られていないのです。

僕もそうでしたが、今後ウェブ制作系などソリューションのキャリアの方が事業側に転職されるケースもますます増えてくると思います。そういう方たちのためにも広報のお仕事とウェブとの関わりを整理しておきます。


一般的に言われる広報部の仕事

会社によって若干異なるかと思いますが、広報部の「タスク」を上げてみましょう
・ニュースリリースを書く
・報道記者対応
・記者会見
・新聞記事のクリッピング
・社内報を書く
・IR対応
・そして企業サイトの管理

広報部と仕事をしたことがあるかたはこのあたりはなんとなく理解できると思います。ただし、なぜこれを行うかという本質がここからは見えません。

また他部署と比較してよくある説明が、「企業の情報発信を担う部署で、宣伝部は広告枠を買って情報を発信する(広告)のに対し、広報部は記者に書いてもらうことで(パブリシティ)情報を発信する。」というもの。たしかにタスクの対比という点では間違っていないです。ただここからは企業にとって広報部が必要だという理由が理解できません。


広報部の本質的なミッション
企業における各部のミッションは大きく分けて以下の2つしかありません。
・会社の利益を上げること
・会社の利益を守ること
そして「会社の利益を守ること」を司ることが企業にとって広報部の本質的な存在意義になるのです!

分かりやすい職業に例えると、「海の監視員」です。
1.平時には海を監視する。そして身体を鍛える。
2. 監視しながら周囲(ステークホルダー)とポジティブな関係性を築いておく。
3.いざ有事には有事対応の最前線に立つ。


いざというときのために常に海を監視します。なぜなら常に海をみていないと異常に気づきません。そして異常に気づいた際は即座に避難をさせる。これが本質的なミッションです。

・社外ステークホルダー(特にメディア)とポジティブな関係を作る。
・企業に社会性を持たせる。
・社内ステークホルダーには様々な面で相談してもらう機会を作る。
・有事の時に、話をできる(時にはかばってもらう)相手をつくる。
そういう意味では、裏をかえせば平時には「有事を想定したファン作り全般」を行っているです。

同じ経営に近い部署で「社長室」との比較をしてみましょう。
経営が「赤いスーツが着たい」といったら赤いスーツを用意するのが社長室。
経営が「赤いスーツが着たい」といったら「それは似合わないから青にしろ」というのが広報部。
つまり、経営の決定に常に従うのではなく、意思決定に有益なアドバイスをするのが仕事です。

ファネルを司り利益をあげる「マーケティング・宣伝・広告」や、より中長期な既存顧客との関係性を含めた利益向上を司る「CRM」とはそもそも見てる視点が180度異なるのです。
利益を生み出すのではなく利益を守るのです。

また最近流行りの「戦略PR」はPRと名は付いていますがペイドでは無い点で宣伝と対比されますが、マーケティングの延長という意味で本質的な広報のミッションとは乖離しています。

では次回からはこの本質的なミッションを踏まえて、広報部ウェブマスターがオンライン上で何をすべきか?これを考察していきます。


ウェブマーケッターであらずんばウェブ担当者であらず?

ウェブ担当者はウェブマーケティングをすべし。という風潮がある。
ウェブはROIの可視化ができる唯一メディアです!売り上げをあげるためのSEMを是非ご活用ください。ソーシャルメディアを利用したキャンペーンはいまやらないといつやるのです!ビジネスゴールを導出するユーザー体験の設計が必須です!などなどね。

いや、たしかにその通りなんですよ。そりゃビジネスやってんだもん。

それを煽る代理店もウェブコンサルやプロダクションもよくわかる。なんか刺さりそうだしとりあえずビジネス(というか御社の営業を)サポートしますっていうフレーズも。

でもですね。それだけじゃないんですよね。ウェブって。


マーケティングは企業活動のほんの1機能ですよね?。

僕はコーポレートコミュニケーションという部門でウェブをマネージメントする立場で言わせていただくと、セールスとかマーケティングなんてオンラインコミュニケーションのほんのごく1機能にすぎないのですよね。

例えば今回の震災対応。これってマーケティングの視点ですか?
例えば震災時や「想定外」の緊急時におけるコミュニケーション体制の構築。これはセールスの視点ですか?
例えばエマージェンシーからBAU(Business As Usual)へのコミュニケーションを戻す判断。これはどうですか?
クリエイティブを含めたステークホルダー誤認防止の配慮。これってセールス以前にビジネスそのものの前提だったりしますよね?

セールスやマーケティングを否定する訳ではないし、企業活動をする上での最も根幹を成す領域だと認識してすよ。もちろん。
もちろんサイトへの集客にリスティングも使いますし、サイトカタリストのダッシュボードも毎日モニタします。
でもCVだけみてるわけではないのですよ。というか立場上、CVなんてみてなかったります。企業活動の現実としてCVという指標のResponsibilityをウェブ担当者が必ずしも持っているわけではないのです。

ウェブをとかオンラインコミュニケーションってマーケティング?それだけじゃないですよね?って最近強く思います。特に震災以降は。
なんかマーケティングづいてるウェブ 業界が自分で自分のケーパビリティを狭くしてる気がするので、あえてが発言しているのですが。レッドオーシャンで戦いすぎじゃないですか。みなさん。

企業活動は広大です。もっと広い視点を持てる人材が次に生き残れるかなと。自戒を込めて。


2010年10月24日を持ちまして、わたくし横堀直之は、ネットイヤーグループ株式会社を卒業することになりました。

ネットイヤーグループに在籍中は、主にインフォーメーションアーキテクト(IA)として従事し、プランナー、ディレクターという役割で様々な企業さまにオンラインコミュニケーションソリューションを提供してまいりました。
この経験を生かし、この度アドバタイザー側に転向し、外資系企業の東京ブランチにて、オンラインPRに従事することになりました。

関係者の皆様、大変お世話になりました。これからもお付き合いさせていただく皆様、今後ともよろしくお願いし致します。

取り急ぎになりますが、ご報告とさせてください。


オンラインで我々は一体何をしているのか?
ビジネスでオンラインでいることが当たり前の僕にとっては、
割と答えにくい問いだった。

先日行われた、ad:tech Sydneyのセッションをアドテック東京オフィシャルブログで、
読み返していたら、シンプルな解に出会った。

1) Search
2) Surf
3) Social


この「3つのS」Sがオンラインで行われている会話である。
Zenith Optimedia AustraliaのPhil Zohrab氏の提言。
言われてみると当たり前なのだけど、分かりやすいのでメモ。

Phil Zohrab氏曰く、オンラインメディアに費やす時間増加の理由は、
この「3つのS」が連鎖反応を起こしての結果だとか。


参考



about me

Nao Yokobori(横堀 直之)
メーカー勤務を経て、2002 年にWeb 業界へ転進。サイト設計の専門性を高めるため、2006 年よりネットイヤーグループに参加。ディレクター / プランナー / インフォメーションアーキテクト(IA)として数多くプロジェクトを手掛ける。2010 年より外資系保険会社の広報部にてWeb マスターとして在籍。